そもそも、3次元CADと言うものはコンピュータソフトの中でも一番その操作が複雑で難しいものの一つだと思います。機械や建築など人工物を扱う3次元CADの場合ならまだしも、土木の世界では設計者は現況地形などの自然物の複雑な3D形状と格闘しなければなりませんから、その難しさは言うのはなお更です。
これまで、2次元図面と昼夜戦ってきた土木設計者の皆さんにとっては、その複雑怪奇とも思える3次元CADの操作をまず習得しなければならない、というのがCIM化への最大のハードルの高さかと思います。
実は、私は最初に触ったCADというのが既に3次元でしたから、2次元CADを使った経験というのがありません。だから、3次元のCADがさほどに難しいと感じたことがないのです。
言ってみればこの世の万物すべては3次元で出来ているわけですから、かえって、それを2次元の図面で表現する(3次元を2次元に変換する?)そのほうがずっと難しく思えることすらあるのです。
3次元の物を最初から3次元で設計して、必要に応じて(見る方向を変えるなどして)それを必要な個所2次元図面に落とす。つまり、2次元の図面とは3次元CADデータの見る方向を変えて印刷するだけです。そう思います。
そもそもが2次元を3次元化しようとするから難しい。だから、場合によっては2.5次元だなんてよく訳のわからない概念すら出てきます。元々3次元のものを3次元で表現(データ化)して、それを2次元化するのは至って簡単です。CIM普及は、そうした発想の転換もカギなんじゃないかと思っています。
CIM = 2次元 → 3次元 ×
CIM = 3次元 → 2次元 〇